Weekly Report | Week 1, August

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注目トピック

市況・投資領域

ライトコイン、今夜(8/5)半減期へ
仮想通貨ライトコインの半減期が本日19時ごろに予定されています。 価格高騰のきっかけになるという評判もありましたが、半減期を前に過去1ヶ月で約25%価格が下落しました。ライトコインの採掘報酬は1ブロックにつき50LTCでしたが、本日、これが25LTCとなります。

ライトコインの半減期は84万ブロックごとに半減し、4年に一度のペースで起きます供給量が減少することから通貨の価格は上昇するとされます。2015年8月の半減期の際には、半減期までの7ヶ月間で価格は約700%上昇していました。しかし価格は1ヶ月前の7月にピークをつけ、半減期ごは75%下落していました。

半減期と価格に関する専門家の考え
多くの専門家は半減期をきっかけに価格が上昇するとは考えていないようです。以下の発言が行われています。

  • eToroシニアアナリスト・グリーンスパン氏:
    • 「ライトコインは今年の上昇相場で他の仮想通貨よりパフォーマンスがよかった。一部では今年前半の上昇トレンドを作ったのはライトコインとみる向きもある。短期では価格がどのように動くかはわからないが、長期では、供給減が高値をサポートすることになるだろう。」
    • 「ライトコインのスクリプト方式のアルゴリズムはユニークであり、他のトークンが簡単に採用できるものではない。このため、他のコインで見られるようなハッシュレートを巡る競争はないのではないかとみている。また、ライトコインのマイナーは、半減期に備える時間がたくさんあった。大きな変化は見られないのではないか。」

  • 著名仮想通貨トレーダーのクリプトランド氏:
    • 「半減期が価格に影響を与えるとは思わない。ここ1か月で織り込まれている。LTCの値動きは堅いだろう。ちょうど88ドルにある重要なサポートから反発して下降トレンドチャネルを突破した。下降トレンドに勢いがなくなったら、105ドル〜110ドルまで戻ると思う。他の主要仮想通貨よりは、手堅いオプションに見える。」

また、半減期後には利益が出なくなることから、一部のマイナーは廃業することになると見られています。また大きな割合でそうした事態になれば、ブロック生成が少しの期間、遅くなるとされます。一方、バイナンスの研究部門は、ライトコインの半減期に伴うマイニング業者へのショックは「マージマイニング(merged mining) = ある仮想通貨のマイニングによって得られた計算結果を別の通貨でも共有すること」により和らぐ可能性があると発表しています。

BTC相場、堅調な推移見せる
BTC相場は、先週初に9,000ドルを付けられず急反発を見せ、週央には10,000ドルで値を固め、その水準を上抜けると、11,000ドル水準まで上昇しています。
先週末にトランプ大統領が米中貿易戦争の一時停戦合意を破棄し、対中輸入の残り3,000億ドルに関税をかけるとすると、10,000ドル水準を上放れ上昇し、人民元が6.95の最安値を更新すると堅調に推移しました。また追加利下げを占う上で注目された米雇用統計はほぼ予想通りとなり一旦上昇した分を吐き出す形となりましたが、バノン元大統領上級顧問が、ポピュリストの反乱においてBTCは重要な地位を占め、大きな未来があるとしたことや、北戴河会議が始まったという噂も出回り、BTC相場は上昇しました。その後、目立った材料がない中、11,000ドルを前に上値を重くしましたが、香港デモで5日にゼネストが予定されたこともあり、今朝方11,000ドルに乗せています。

政治・規制領域

仮想通貨のマネーロンダリング検知用に世界最大のデータセット「Kaggle」が登場
金融犯罪防止用ブロックチェーン監視サービスを展開するエリプティック(Elliptic)は8月2日、グーグル傘下のデータサイエンティスト向け機械学習プラットフォーム「カグル(Kaggle)」で扱える、「エリプティック・データセット」を発表しました。

Kaggleのデータセットを基にすることで、AML(アンチマネーロンダリング)など不正な仮想通貨取引を予測・検出できるといいます。また仮想通貨ビットコイン(BTC)で20万BTCおよび総額約60億ドル(約6395億円)相当の取引を基にしており、世界最大規模とうたっています。同社は、「エリプティック・データセット」により法令遵守に関するコストを低減するとともに、仮想通貨関連の犯罪を排除できると発表しています。

インドIT企業2,700社が加盟する団体、政府の仮想通貨全面禁止案に反対表明
インドのIT企業2,700社以上が加盟するNASSCOMは、インド政府の専門家委員会による仮想通貨の全面禁止の提案に反対しています。

ナスコムは、仮想通貨プロジェクトの立ち上げ前に規制サンドボックス(特区などの限定的な規制緩和策)の実施により検証できると主張し、仮想通貨の全面禁止は、すでに法令・規制を遵守している合法的な企業の追放に繋がるだけであるとも述べています。

また、仮想通貨分野における違法行為を防止する規制を構築する点でやるべきことがあると指摘し、「規制により、法執行機関は新技術を理解し、犯罪動向に関する情報を収集し、執行措置を講じられる」と述べています。

社会領域

米NY州裁判所、仮想通貨は契約書上の現金に当たらず
米ニューヨーク州裁判所のファイラ裁判官は、JPモルガン・チェース銀行のクレジットカードを使った仮想通貨の購入は、同行契約書上の現金取引にあたらず、現金取引の際に同行が求める現金前払いを適用できるわけではないという決定を行いました。

報道によると、ブラディ・トラッカー氏ら原告は2018年4月、JPモルガン・チェース銀行を相手取って集団訴訟を起こしていました。内容は、同行のクレジットカードを利用して仮想通貨を購入した際、過大な手数料を請求したというもので、手数料の返還と損害賠償を求めていました。また原告側は、JPモルガン・チェース銀行は、仮想通貨購入に対する手数料は「現金前払い」を要するとしていたものの、同行クレジットカード保有者への周知を怠っていたと主張しています。

ファイラ裁判官は今回、原告らの起訴内容の多くを棄却するよう求めたJPモルガン・チェースの申し立てを却下しました。ファイラ裁判官によると、原告らは「現金(cash)」という単語を「法定通貨(fiat money)」だけを指すものと解釈しており、同様に「現金のような」(cash-like)という文言についても、小切手・為替・電信送金など「法的に認められている現金の請求」のみを指し、仮想通貨を指すわけではないと説明したようです。一方で被告のJPモルガン・チェース銀行は、「現金のような取引」という用語は、仮想通貨やその他を問わず、あらゆる決済に適用されると考えているといい、両当事者の論争は、この「現金のような取引」という用語の適切な解釈に関する意見の相違に帰着する、と述べています。

リップル、ブロックチェーン研究で東京大学、京都大学と提携
リップル社は7月30日、東京大学と京都大学とブロックチェーン研究で提携したことを発表しました。今回の提携は大学ブロックチェーン研究イニシアチブ(UBRI)の一部で、日本の大学から仮想通貨とブロックチェーンに対して高い関心があるとして、以下ののように述べています。

「日本は暗号資産とブロックチェーンの分野で急速に牽引役となりつつある。現在の金融システムを改善する方法を模索する上で常に前向きだ。(中略)リップルは、ブロックチェーンや分散型のコンピューティング、バンキング、フィンテックなどの分野で未来を形作る原動力になるように学生を促している。」

東京大学は、ブロックチェーン研究を志す学生に奨学金を提供しています。また経済学部の教授は、仮想通貨やブロックチェーンに関する規制や進化を続ける金融システムに関する研究に注力すると述べています。京都大学は、大学院生が、出稼ぎ労働者による自国への送金などの分野でブロックチェーン研究を行っています。リップル社はこうした研究に対して資金援助をしたり専門知識を伝えたりする予定です。
UBIに加盟する大学は33社で、今年1月には習近平(シー・ジンピン)国家主席の母校として知られる清華大学と提携したと報じられています。
ビジネス・事業領域

ビジネス領域

米国大手ウォルマート、ステーブルコイン発行の可能性
1日に米国特許商標庁(USPTO)に申請された特許により、ウォルマートが米ドルに連動したステーブルコインの発行を検討している可能性があることが判明しました。 特許文書には、「一つのデジタル通貨ユニットをレギュラー通貨に紐つけて発行する」や「デジタル通貨の情報をブロックチェーンに記録する」など、法定通貨に連動するステーブルコインを示唆する文言が並んでいました。また「一部の小売店やパートナーで使うことが可能」ということや、手数料は無料で、現金への交換が簡単にでき、利子も稼げる可能性なども言及されています。2020年前半までに立ち上げが目指されるFacebook社のリブラのライバル的存在になると予想されています。

フィリピン大手銀行、支払いに特化したステーブルコインを公開
フィリピンの大手銀行ユニオンバンクは、支払いに特化した、フィリピンペソ立てのステーブルコインを公開しました。 7,000以上の島々で構成されるフィリピン内で銀行間や個人間の支払いを円滑化させる狙いです。

同行が発行した仮想通貨「PHX」はユニオンバンク独自のプラットフォーム「i2i(=Island to Island、Individual to Individualを意味)」で機能します。ユニオンバンクとフィリピン内の島々の地方銀行とを繋ぐブロックチェーン基盤の決済システムです。

同行のシニアバイスプレジデントであるベラ氏は、同行が発行するPHXに関して、「安定した価値の保存、取引の媒介として機能するよう構築されており、独自に執行するロジックを持つプログラム可能なトークン」であると説明しています。また、ユニオンバンクは今月初め、i2iプラットフォームを使用したフィリピンからシンガポールへのブロックチェーンを使用したクロスボーダーの送金実験に成功しています。

プロトコル・インフラ領域

リキッドネットワーク上でテザー発行
ビットコインのサイドチェーンであるリキッドネットワークを開発するブロックストリーム社は7月29日、米ドルにペッグされているステーブルコインのテザー(USDT)を発行したと明らかにしました。
テザーがリキッドネットワークに参入することによって、リキッドBTCとリキッドUSDT間でアトミックスワップが可能となり、取引所を通さないOTC取引ができるようになります。また、ライトニング決済とリキッドを組み合わせることにより、オフチェーンでの転送スピードと低コスト化が実現できるといいます。

ビットコインのライトニングとイーサリアムの融合案、ヴィタリックもゴーサイン
イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏が、ビットコインのライトニングネットワークとイーサリアムをミックスさせる提案にゴーサインを出したことが判明しました。

この提案はもともと、ブロックチェーン開発社のブロッケード・ゲームスが出したものでした。同社はブロックチェーンゲームとノンファンジブル・トークン(NFT)の未来にとってイーサリアムは欠かせないと考える一方、ビットコインは「未来のマネー」とし、多くのプレイヤーがほとんどの資金をビットコインで持つことを好んでいると指摘しています。この理由から、ライトニングでの即時決済と同時に、新たなゲーム資産を作るなどイーサリアム上でイベントが発生するような仕組みを提案したとのことです。ブテリン氏は、仮想通貨の未来は「多様性と多元的共存」と指摘し、ゴーサインを出しました。

その他のトピック

市況・投資領域

  • ブロックチェーン技術をポイントサービスに活用する米ロイアル(Loyyal)は1日、LINE子会社でブロックチェーン投資を手がけるアンブロックベンチャーズ、リクルート、マネックスグループから出資を受けたと発表しました。 ロイヤルは、小売や旅行、サービス分野でのポイントサービスといったロイヤルティーサービスの顧客普及率は80%を超えているとし、アジア市場へのサービス普及に期待を示しています。

政治・規制領域

  • 米国防総省が、デジタル近代化戦略の一環でサイバーセキュリティのためのブロックチェーンソリューションを模索していることが判明しました。 同省が発表した、2019から2023年度までのデジタル近代化戦略のロードマップにより明らかになりました。DARPAはインターネットの原型となったARPANETや、GPS(全地球測位システム)を開発したことでも有名な研究機関です。
  • ビットコイン(BTC)とビットコインキャッシュ(BCH)決済サービスを手掛けるビットペイは、ドイツでの運営を一時停止しました。 来年ドイツで施行されるアンチマネーロンダリング(AML)の新たな規制が理由だとしています。ドイツでは、新規制適用ご、仮想通貨関連企業はドイツ連邦金融監督庁(BaFin)からライセンスを取得することが求められます。

社会領域

  • 米国のEコマース大手オーバーストックは7月30日、同社株の配当をデジタル証券で支払うと発表しました。 オーバーストック株10株に対して、1株のデジタル証券「デジタル投票シリーズA-1(Digital Voting Series A-1)」を配当として配る予定だといいます。
  • イランの警察当局は、トラックによるマイニングマシン117台の密輸を摘発し、押収しました。 マイニングマシンは117億イランリアル(約3000万円)相当だといいます。イランでは先日、政府が仮想通貨マイニングを産業と認定していました。

ビジネス・事業領域

  • 米プロバスケットボールNBAと同選手労働組合(NBPA)は、「クリプトキティ―ズ」で知られるDapper Labsと提携し、来年初めにブロックチェーンゲームを公開予定です。
  • 6月にRipple社から5000万ドルの出資を受けたグローバル送金企業のマネーグラムは、1日に第2四半期の決算を発表し、CEOのAlex Holmes氏はRipple社の送金ソリューションであるxRapidについて、今週から利用を開始すると述べました。

プロトコル・インフラ領域

  • ブロックチェーン基盤のウェブブラウザ「ブレイブ」上で、ツイッターやユーチューブでコンテンツ制作者に仮想通貨でチップを送金できるようになったことが判明しました。 チップ送金機能は、ブレイブの新たな機能「ブレイブ・リワーズ」の一部で、ユーチューブとTwitchにもチップ送金可能です。ブレイブ上でツイッターを開くと、「Tip(チップ)」というボタンが表示され、そのボタンを押すことでツイートした人にネイティブトークン「BAT」で直接チップを支払うことができます。
  • 仮想通貨による即時融資サービスを手がけるネクソ(Nexo)は2日、マスターカードのブランドを使った仮想通貨クレジットカードを発行することを発表しました。 利用者から、仮想通貨を担保として預かり、法定通貨で同額のローンを提供予定です。ネクソは、世界で初めて「仮想通貨を実際に使わずに仮想通貨で決済できる」と主張しています。